安心できないトリミングサロン

私は、「安心してお任せください。」と、お客様にお伝えすることができません。
そう言いたくても言えないのです。

正直に、心から言える言葉

「大切にお預かりいたします。」

と、毎日お伝えしています。

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こんなことを書いてしまうと、お客様を不安にさせてしまうと思いますが
常に考えていることを書いてしまおう!と思います(*‘ω‘ *)

私達は犬を毎日お預かりして、沢山の経験を積ませて頂いていますが、
「慣れる」ということができません。
と、いうより、「慣れる」ことが怖いとすら思っています。

サロンに慣れていない犬は、緊張して体調を崩してしまうかもしれません。
肥満犬は常に関節に負荷がかかっている状態、心臓や呼吸器が脂肪で圧迫されています。
関節の弱い犬は、注意していても気付かないうちに痛めてしまうかもしれません。
暴れてしまう犬は、動きによる関節の怪我や、刃物が当たる危険性が高いです。
毛玉がある場合、皮膚が痛みやすいことがあります。
高齢犬は体調が急変してしまったり、持病が悪化してしまうかもしれません。
高齢になると皮膚のたるみやできものが多くなり、バリカンで怪我をさせやすく、トリミングの難易度が上がります。
トリミングマナーの良い犬でも、窓の外の犬や子供の動きや、お客様の出入りの際には興奮してしまうこともあります。

私たちは本能・意思がある、言葉の通じない動物に、鋭利な刃物を向けています。
どんなに大切に施術していても、犬が全力で暴れる場合や犬の状態によっては、いろいろな危険を伴う業務を行っています。

トリミング以外の時間も、
家族に会いたくて、出入り口のゲートから飛び出したりしないか
お預かり中お店の商品やトリミング道具にいたずらしてしまったりしないか
遊んでいてジャンプして関節が外れたり、骨折してしまったりしないか
ゲージレスト中も、ゲージレストができない犬はそれだけでストレスを抱えます。
出たがってゲージに爪をひっかけて怪我をしてしまわないか、
トイレシーツを食べたりしてしまわないか
他の犬やお客様とのトラブルにならないか…..
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刃物を使用するトリミング中はもちろんですが、
お預かりしている間、何かが起きうるという気持ちを常に持っています。
どんなに慎重にトリミングをしても、注意して観察していても、日々緊張の連続です。

 

 

 

犬のプロだからできて当たり前。
犬の店だから、どんな犬も預けられる。
そうありたいと願えども、「犬」を主体に考えたときに
お客様のご要望やご期待をすべて叶えることができません。

施術相手は動物。

見た目の美しさを追求しすぎて犬に負担にならないこと、犬に完璧を求めないことを大切にしたい。

グルーミングの最大の目的は犬体を清潔に保ち健康を維持することであり、健康のために一生必要とするケアができるだけ辛いことにならないように努めることがsweet dog’sの方針です。

スタッフの友人・親戚の犬でも、sweet dog’sに勧誘しません。
犬がずっと通っているトリミングサロンがある場合は、慣れている環境・信頼関係のできているサロンの方が犬の為に良い場合がありますし、命を預かる責任を重く感じているためです。
義理やお付き合いではなく、選ばれたい。
数あるトリミングサロンの中からsweet dog’sを選択してくださった方と、信頼関係を築くことを大切にしたいと思っています。

動く動物をお預かりし、刃物を使用しデザインすること自体、常にリスクを抱えています。
犬の気持ちや体の事、お預かり中のリスク、何かあった時のスタッフの精神的ケアを考えると、できないことが沢山あります。
犬のプロだからこそ、犬をよく知っているからこそなおさら、気軽にお預かりすることができません。
良いことだけをお伝えするのではなく、難しいと感じること・出来ないこともありのままをお伝えさせて頂いています。

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私達にできることは、常に様々なリスクを想定し、そうならないための対策をし続けることです。

そして、その都度リスク説明をさせて頂いて、ご理解を頂いてからお預かりさせて頂いています。
お客様にとって嬉しくないリスク説明をすることは心苦しい事ですが、トリマーとして犬の為にご理解いただきたいことがあります。

生まれ持った性格も、育った環境も、受けてきたしつけの方針も違うたくさんの犬たちを同時にお預かりする特殊な場所で、犬の安全と衛生環境を守るためにはいろいろなご協力をいただく事が必要です。
どんなに注意していても、私自身、大切な犬をお預かりしている間、安心できることはありません。
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最後のお客様をお見送りした後、必ず、
今日トリミングさせて頂いた犬が、バリカン負けしなかったかな?
お耳掃除や肛門腺絞りの後、気にしすぎたりしなかったかな?
カットの後、寒さでお腹を壊したりしなかったかな?
毎日、考えずにはいられません。

次回ご来店頂いた時に、お家に帰ってからの様子や、良いことも良くないことも気になったことなどを教えて頂いた時には、本当にありがたく、気持ちが救われます。

愛おしすぎる自分の犬が病院にかかる時や、誰かに任せる時。
私は、「誠実に向き合い、大切にしてもらいたい」という思いが一番です。

私達がお預かりする犬達にそう努め、大切な犬と一緒に飼い主様の思いもお預かりしています。
犬を大切に思うほどに、気軽な思いで犬と向き合うことができません。
大好きな相手を傷つけるリスクのある業務・かけがえのない愛おしい命をお預かりしていることに、いつになっても気負いせずにはいられません。

 

「安心してください。」とお伝えすることができませんが。。。

お預かりさせて頂くすべての犬を、大切にいたします。